Michael JD「Fire Fliesは差別主義者だ、そんな奴らと手を組んでいる意味があるのか?」
Foch Petain「彼らが外交の席でそれを明言しない限り一般メンバーが何を言っていようと私たちは気にしない。」
Fire Flies及び第三勢力はThe Silent Federationの総攻撃を受けて、YC.121年2月にすべての領土を失った。Branch及びTenalにあったすべての拠点は破壊され、ゲリラ戦を展開することになった。
この時点で、多くのメンバーがFire Fliesは崩壊したと思った。Sakuma Drop社内にいる幹部、筆頭外交官であったFoch Petainも当然そう考える一人だった。だが、状況はそれ以上は悪化しようがないと思っていたので、そこまで真剣に悩んでいなかった。
「いざとなったら寝返ればいい。ただ、どこかで艦隊戦で、うち単独でTSFに対して勝つべきだ。」
Fochは役員会議にてそう名言していたほどだ。
敵であるTSFを含む誰もが、3月の敗戦にてFire Fliesは死んだと思っていた。だが、4月にWinter CoalitionはBranch全域にて総反撃を行い、いくつかの領有権を獲得した。
この結果に一番驚いたのはSAKUMA DROPの役員会であった。
Fochのこの時点での中期戦略は、もはやいつ寝返るか、いつ、どこで艦隊戦で数回勝利収め、SAKUMAの力をTSFに見せたうえで寝返るか、そういったことに焦点が置かれていた。
そう、だが、Winter Coalitionは復活したのだ。TSF側の低調が原因であったとしても。
Winter Coalitionの反撃が成功したため、SAKUMA DROPとしても独立して艦隊を動かす必要が出てきた。もし、当時、Fochの艦隊指揮能力が、数か月後程あれば、Winter Coalitionを勝利に導けたかもしれない。だが、不幸にもこの時点で彼はそこまでの能力を持ちえなかった。
役員会はSAKUMA DROPの限られた能力で戦いを進めるために、最も適したのは、素早く動き、相手の遅れた船を食いちぎる、もしくは致命的な瞬間に有効な一撃を加えるために高速、高DPS、を求めた艦隊を要求した。
その結果として採用されたのはトルネードフリートであった。トルネードフリートは素早く、相手の懐に潜り込み、もしくは素早く相手の艦隊の最後尾を食いちぎることを目的として活動するのに、十分な速度、そしてDPSを保有していた。
今までは、Tech Levelの問題で、十分な数をそろえることができなかった。
だが、SAKUMAは独立して行動することができる能力を手に入れたのである。
4月の反撃以後、Branchの状況は安定した。TSFとの小競り合いは合ったものの、大きな反撃もなく、Winter CoalitionはW-4FA9や3F-JZFといった西部Branchの要衝を抑えた。
5月にいたり、SAKUMA DROPは領有権を獲得する準備ができたため、以前から調整していた8-4GQMへとステーションを設置した。
ここに至り、ついにSAKUMA DROPは念願の領有権を手に入れたのである。
皆が喜んでいた。ただ、この時点では知る由も無かったが、これは嵐の前の静けさに過ぎなかった。
8月に入り、The Silent Federationは総反撃を開始した。
The Silent Federationの指導部が一新され、Michael JDが軍事部門の本部長となったことで、全てが変わった。
Federation内部の怠惰な空気は一層され、誰もが反撃の準備をしていた。
一方、Winter Coalition側では、その反撃の兆候を探知することができず、完璧な奇襲となった。
8月第1週、第2週にかけて、The Silent FederationはDekleinやFadeに存在するWinter Coalition側の拠点となっていたPOSを攻撃し、破壊した。
そして、彼らは第3週にかけて、W-4FA9及び3F-JZFへと攻撃を仕掛け、それぞれのステーションは最終タイマーへと追い込まれた。
一方、奇襲を受けたWinter Coalition側はDeklein及びFadeのPOSの防衛を放棄し、Branch西部のステーションの防衛を最終タイマーで行うことを決断し、SAKUMA DROPにも動員を依頼した。
北部の覇者を決める決戦が始まろうとしていた。
YC121年8月21日、その日はなんでもない1日のはずだった。
多くのカプセラにとって、いつものどおりの日々、生活の中に埋もれる、ちょっとした金策や海賊を行う日に過ぎなかった。
だが、北部のBranchでは、2つの大勢力が数百人のカプセラを動員し、お互いの勢力の威信と、領有権をかけての戦いが始まろうとしていた。
Winter Coalitionは20:00JSTに艦隊を編成し、決戦地のW-4FA9に向けて進発させた。そして、SAKUMAは21:00JSTに艦隊を編成し、W-4FA9に向かった。
一方、The Silent Fedeartion側は21:00にC-4ZOSにて艦隊を編成し、進撃を始めた。
双方の艦隊は、1LX-C0ゲート近辺にて激突した。
ゲートを封鎖しているWinter Coalitionの艦隊に対し、The Silent Fedeartionの艦隊は一斉に星系にジャンプインした。両艦隊のテンペストが砲門を開き、双方合計で、400隻以上の戦艦が一斉に射撃を開始した。
一方そのころ、艦隊司令官のFochは困り果てていた。なぜならば、手前の星系にて相手のベクサー艦隊に足止めを食らっていた。
Fochは最終的に、彼らとの交戦を決意したものの、今度は彼らの艦隊がW-4FA9へと急ぎジャンプゲートをくぐり、交戦せずにW-4FA9へとジャンプしてしまった。
最終的に、SAKUMA艦隊はそのベクサー艦隊とW-4FA9のステーション前で相対することになる。
彼らのベクサー艦隊は、正直、トルネード艦隊の敵ではなかった。私たちは1隻1隻と追い詰め、最終的に相手の旗艦をワープ妨害機をかけて撃沈することに成功した。
しかし、そこまでだった。
ジャンプゲート前の戦いでWinter Coalitionは敗北し、壊滅的被害を被った。
ステーション前へと、TSFの主力艦隊が押し寄せてきたため、SAKUMAの艦隊は撤退せざるを得なかった。
この戦いで、Winter CoalitionはThe Silent Federationの55隻の艦船を破壊し、約21 bilion ISKの損害を与えた。
一方、Winter Coalitionは313隻の艦艇が星の藻屑と消え、約103 Bilion ISKの損害を負い、ステーションを失った。
完敗したのだ。
この戦いはシステム上限の1000人のプレイヤーが1システムに入った大規模な戦いとして記録されることになる。
The Silent Federationは攻勢の手を緩めることはなかった。
YC121年8月27日、SAKUMA DROP社のステーションの攻防戦が始まった。しかし、実際のところ、ステーション前での戦闘は激しくはなかった。
The Silent FederationはWinter Coalitionが艦隊を編成する前に、それぞれの終結地にて待ち伏せ攻撃を行い、艦隊を各個撃破した。
それに対してWinter Coalition側がとったのは最悪の悪手だった。
彼らは準備を整えて出撃するのではなく、編成地であった、BKG-Q2にいる艦船を出撃させたのだ。
そして、それこそがSilent Federationが狙っていたことだった。
Winter Coalitionの艦隊は、BKGのステーションを出撃した瞬間、目の前にSilent Federationの艦隊が待ち伏せしているのを目にした。
そして、彼らは戦列を組む前に撃破された。
私たちにできることは何も無かった。
SAKUMAはステーションの防衛をあきらめ、敵の本隊が帰るのを待った。
そして、8-4のステーションは破壊された。
だが、SAKUMAの艦隊は、舞い戻り、相手の何らかの理由でとどまっていた数隻の船を破壊した。
そして、バウンティーセンターを攻撃していた敵艦隊と交戦したものの、敵艦隊の数は多く、とてもかなう相手ではなかったため、撤退を決断した。
Winter Coalitionは111隻の艦艇を失い、その被害総額は48 bilion ISKに達した。
それに対して、The Silent Fedeartion側は4隻の船が破壊されただけだった。
W-4FA9会戦、及び8-4GQMの防衛失敗を受けて、多くの中華系コーポレーションがThe Silent Fedeartion側へと寝返った。
北部Branchを確保していたCASH Allianceは寝返り、すでに所領を安堵されていた。
SAKUMA DROPはその中でも、抵抗を続ける意志を持ち、Winter Coalitionと運命を共にする覚悟ができていた。
「これは決して意味のない戦いではない。私たちの実力を彼らに知らせるべきだ。」
内心、FochはもはやWinter Coalitionは死んでいると確信していた。寝返るのは既定路線だった。問題はいつ、ということだったのだ。
YC121年 9月4日 筆頭外交官/艦隊総司令官 Foch Petainより
私は深くNew Edenの大勢とSakuma Dropの現状に鑑み、非常の措置をもって時局を収拾すべく、忠義で善良なあなた方社員に告知すべきことがあります。
私はSakuma Drop社のMain FC、及びDiploとしてThe Silent Federationに対し講和の用意があることを伝えました。
そもそも社員の安全を確保しNew EdenのほかのAllianceと共に栄え、喜びを共にすることは、Sakuma dropの発足以来からの規範であり、私たち役員陣も深く心にとめ、そう努めてきました。先に、[FF]Fire Fliesとの同盟を締結した理由もまた、Sakuma Dropの自存とNew Edenの安定を願ってのものであり、そのために、他Allianceの主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことは、もちろん、Main FC、及びMain Diploたる私の意思でした。
私たちWinter Coalitionはいわゆる、3月の惨劇―同盟相手のFire Fliesが全ての領土を失うという敗戦―ののち、不死鳥のように復活した彼らとともに、Branchへ舞い戻り、8-4に居を構えました。しかしながら、戦局はこの2か月間、弊社及び[FF]Fire Fliesの尽力にもかかわらず、W-4の敗戦以来、戦線を縮小し続けてきました。
そして、私は、決定的な敗戦であったW-4の防衛失敗、及び8-4失陥以来、最悪の選択肢も含む、全ての可能性を考慮し、[FF]Fire Flies、[NO]Please STOPなどのWinter Coalitionの主要構成アライアンスとの連携を深めてきました。
しかしながら、戦闘状態はすでに半年を経て、私たちの社員の勇敢な戦闘や、補佐役たちの励精は、Sakuma Drop社としてそれぞれ最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転せず、New Eden北部の情勢もわれわれにとって不利に働いています。
Sakuma Drop社の社員の皆さんは、私の想像を超え、限界まで戦ってくれました。しかしながら、今後のNullで生きていくという現実を考え、全ての社員が幸せに過ごせるように未来を考え、切り開いていかなければいけません。
私は悲しくも、この12か月間共闘して来た[FF]Fire Flies及びその他のWinter Coalitionに対して、Standing Reset及びThe Silent Federationへの加盟を通告せざるを得ない状況になりました。
この決断についてSakuma Dropとともに終始、Branch-Tenalの確保に協力してきた、同盟Allianceに対して、遺憾の意を表さざるを得ません。
Fochはメンバーの闘志を煽る一方、常に紳士的にふるまうことを要求していた。彼は常に裏ではThe Silent Fedeartionとコンタクトをとっていた。
「外交とは可能性の芸術だ。」そう語った政治家も現実世界ではいたが、まさにEVEでも同じである。
昨日の敵が突然今日は味方になるかもしれない、その可能性こそが重要なのであって、そのために一定程度の品位を保つことは必要であった。
そして、メンバーの闘志を維持しつつ、彼らの目が復讐や恨みで曇らないように誘導するのも、役員たちに課せられた任務だった。その点、SAKUMAの役員はうまくやっていた。
そして、裏では、抜け目なくThe Silent Federation側と交渉を重ねていた。彼らはW-4の戦い以後、SAKUMAの実力を認め、艦隊司令官であったRandAlKarrから接触があり、寝返りを打診された。しかし、Fochは1艦隊司令官ではなく、正式にFederationの役員陣、もしくは外交官と直接話がしたいとFochは返答した。
その結果、軍事本部長であったMichael JDへとコンタクトを繋いでもらい、Michael JD及び役員だったNihi1ist、そして当時外交官だったRocket34の4者と会談した。
彼らとの交渉はタフだった。8-4GQMを失ったのち、交渉を続けた。結果として、一時的な領土して8-4GQMの再建が認められ、それを引き換えにSAKUMA DROPは正式にThe Silent Fedeartion側へと寝返ることを促された。
それでもFochは迷っていた。だが一つの事件が発生する。Winter Coalition側の英語外交官であったJintlichが突然解任され、Winter Coalition側との交渉のパイプを失ったのだ。
それこそがFochを寝返りへと決断させた。
停戦合意がThe Silent Fedeartion側となされ、SAKUMA内部では終戦勅令が発布された。1年近く所属していたWinter Coalitionを離脱し、正式にThe Silent Federationへと加入したのだ。
YC121年9月4日にSakuma DROPは正式にThe Silent Federationへと加盟した。
その翌週から私たちは艦隊を繰り出し、Branch及びTenalに数日前まで同盟相手だったWinter CoalitionのPOSやステーションを攻撃する任務につくことになった。
ここでも、SAKUMA DROPは動員を維持し、Winter CoalitionのPOSやステーションは次々と陥落していった。
そして、その忠義に報いるために、The Silent FederationはTenalの辺境であり、New Edenでも屈指の豊かさを誇る星系、そしてなによりも戦略上重要な拠点である、AR-5SY及びOE-4HBの領有を認めた。
The Silent Federationは独力で艦隊を維持し、戦うことができる同盟相手として、私たちを豊かで、国境紛争の絶えない一帯、そして何よりも攻撃目標になりやすい星系を独力で防衛することができる勢力として配置したのだ。
YC121年 9月24日、正式に筆頭外交官のFochは社員に対して宣言した。
「戦争は終わり、平和の季節がやってきた。平和の果実を捥ぎ取るべき期間が。」
このとき、誰もがやっと訪れた平和の味をかみしめていた。SAKUMA DROPは半年以上戦争を続けていたのだから。